自覚症状のみの場合の後遺障害の認定
1 14級9号以外の場合
むち打ち症などの神経症状「以外」の後遺障害の場合、自覚症状のみではまず後遺障害等級は認定されません。
例えば、視力、聴力、嗅覚、関節の機能障害(可動域制限など)、骨の変形、高次脳機能障害等に関する後遺障害は、どれも何らかの医学的検査の結果、異常が指摘されていて初めて、後遺障害等級が認定されることになります。
2 14級9号の場合
⑴ 結論
自覚症状のみの場合でも、後遺障害等級が認定されるケースもあります。
レントゲンやMRIなどの画像所見で、年齢性の変性所見すらない場合には、後遺障害等級認定の可能性は低いといえますが、絶対に等級認定がされないわけではありません。
⑵ 14級9号の等級認定の仕組み
14級9号が認定される仕組みとしては、①年齢、②事故状況、③車両の損傷具合、④通院頻度、通院期間、⑤医学的所見などを総合判断して、その部位に神経症状(痛みやしびれ)がずっと続いていることが医学的に説明できるかが検討されます。
総合判断により、その部位の神経症状がずっと続いていてもおかしくない(医学的に説明可能)と判断されれば、14級9号が認定されます。
⑶ 医学的所見が特になく自覚症状のみである場合
総合判断であるため、⑤の医学的所見が乏しい場合でも、①年齢がある程度高齢であったり、②事故状況・③車両の損傷具合として衝突の衝撃が強く、首がむちうち状態になったことが予想され、④通院期間も長く、通院頻度もある程度あれば、①~④の総合判断により、14級が認定されることはあります。
とはいえ、⑤医学的所見があるに越したことはないため、自覚症状のみですと、14級が認定される可能性は、自覚症状のみだけでない案件に比べれば、やはり低いといえます。
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