交通事故における健康保険の使用| 横浜で『交通事故』に強い弁護士

交通事故被害相談<span> by 弁護士法人心</span>

交通事故のケガに健康保険は使用できるのか

  • 文責:所長 弁護士 湯沢和紘
  • 最終更新日:2024年7月10日

1 基本的には健康保険は交通事故のケガにも使える

交通事故によるケガ等の治療をする際、保険会社から「健康保険を使ってほしい」と言われたけれども、病院からは「健康保険は使えません」と言われてしまい、どうすればよいか困ってしまったというケースは少なくありません。

交通事故の治療であっても、基本的には健康保険を使うことはできます。

ただし、健康保険を使うことのデメリットもありますので、それを踏まえて、使うかどうか検討すべきです。

2 労災事故には使えないので注意(労災保険の適用範囲)

通勤中、業務中に発生した交通事故については、健康保険は使えません。

このような事故については、健康保険ではなく、労災保険か自由診療で治療を受けることになります。

労働災害によって負ったケガだったにも関わらず、間違えて健康保険を使ってしまった場合は、一定の手続きが必要になります。

その際は、まず受診した場所に、健康保険から労災保険へ切り替えができるかということを確認してみてください。

切り替えができない場合や、その他、労災保険について分からないことがあったら、お近くの労務局や労働基準監督署で相談することができます。

必要な時には、そちらに確認するのもよいと思います。

交通事故と労災保険については、こちらのページで記載しておりますので、ご自身のケガが労災である方は、こちらをご覧ください。

3 健康保険を使うデメリット

健康保険を使うデメリットとしては、治療が制限される可能性があることが挙げられます。

健康保険を使用すると、健康保険の対象となる治療しか受けられないため、使用できる薬剤の種類、量、リハビリの回数などについて、制限されてしまいます。

先進医療などの保険外診療についても、健康保険が使えませんので注意が必要です。

4 過失が大きいときは健康保険を検討

ご自身の過失が大きいときには、健康保険の使用を検討した方がよいと言えます。

例えば、過失割合が4:6、健康保険を使用しない治療費が300万円、健康保険を使用した治療費が70万円で考えてみます。

健康保険を使用しない場合、加害者に請求する治療費は180万円(300万円×0.6)、被害者が負担する治療費は120万円となります(300万円×0.4)。

これに対して、健康保険を使用する場合、加害者に請求する治療費は42万円(70万円×0.6)、被害者が負担する治療費は28万円となります(70万円×0.4)。

ご自身の過失が大きい場合には、治療費が高くなると、その分、ご自身の負担が大きくなります。

そのため、過失が大きい場合には、健康保険の使用を検討してみるとよいと思います。

5 弁護士にご相談ください

健康保険を使うかどうか判断する上では、様々な事情を考慮する必要があります。

そのため、交通事故の治療を受ける際は、弁護士などの専門家にも相談することをおすすめします。

当法人には交通事故案件を多く取り扱っており、得意とする弁護士がいます。

横浜周辺で弁護士相談を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

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