高次脳機能障害で看護が必要になった場合の賠償について

高次脳機能障害の方の看護を第三者が行う場合、実際に要する費用が基準となります。

これに対し、近親者らが看護を行う場合は、看護の内容に応じて金額が定められます。

近親者が看護を行う場合の日額費用について、日額８０００円を基準とする旨の文献がありますが（※民事交通事故訴訟損賠賠償額算定基準（公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部））、高次脳機能障害の場合、身体機能それ自体には異常がなく、見守りや声かけが看護の内容となることを考慮した結果として、看護を行う場合の費用を日額数千円程度とする裁判例が複数あります。

看護の必要期間は、平均余命に基づき必要な期間を定めます。

将来にわたっての看護費用の賠償を受ける際、期間に応じた中間利息（※将来発生する費用を先払いとすることによる利得）を控除した金額が一括して支払われます。

しかし、控除による減額を避けるため、一括払い（一時金賠償）ではなく、将来にわたって繰り返し看護費用を受けること（定期金賠償）も可能です。

ただし、この場合は、支払いをする者が途中で経済的に破綻した場合、破綻以後の支払いを受けられなくなる可能性もありますので注意が必要です。

一時金賠償と定期金賠償ではどちらの方が良いのか等、高次脳機能障害で看護が必要になった場合の賠償については分からないことも多いかと思いますので、まずは一度、弁護士へお気軽にご相談ください。