交通事故の示談金はどのように計算するのですか?
1 交通事故における損害賠償の項目
交通事故における損害賠償の項目の中で、ここでは、傷害(入通院)慰謝料と休業損害の計算方法について、ご説明いたします。
⑴ 傷害(入通院)慰謝料の計算方法
ア 自賠責基準
4300円(※1)×慰謝料の対象となる日数(※2)
- ※1 2020年4月1日以降に発生した事故の場合
- ※2 ①治療開始日から治療最終日の日数と②実際に通院した日数×2倍のどちらか少ない日数が慰謝料の対象となる日数となります。
通院期間が150日で、実際に通院した日数が60日の場合、
①150日と②60日×2倍=120日とで、120日の方が少ないため慰謝料の金額は、4300円×120日(=60日×2倍)=51万6000円が自賠責基準の慰謝料となります。
イ 裁判基準(赤本別表Ⅱ基準)
今回は、よくあるむちうちの場合の慰謝料の計算方法をご紹介いたします。
通院期間が187日の場合
89万円(6カ月通院慰謝料)×{97万円(7カ月通院慰謝料)-89万円(6カ月通院慰謝料)}×7日÷30日
=89万円+8万円×7日÷30日
=89万円+1万8667円(1円未満四捨五入済)
=90万8667円
①通院期間より②実通院回数×3倍の方が少ない場合には、修正通院期間として、②が算定期間となる場合があります。
⑵ 休業損害
ここでは、給与所得者の休業損害の計算方法を紹介します。
事故前3か月間の給料÷(稼働日数or90日)×認定休業日数
例えば、事故前3か月間の給料が90万円、稼働日数(実際に働いた日数)が60日で、認定される休業日数が30日の方の場合は、以下のとおり休業損害が算定されます。
ア 稼働日数で除する場合
90万円÷60日×30日=45万円
イ 90日で除する場合
90万円÷90日×30日=30万円
2 過失割合
被害者側にも過失がでてしまう場合は、損害額に自己の過失割合分を控除した金額しか賠償を受けることができません。
損害項目を全て足した損害額合計金額が300万円とした場合、もし自己に過失が10%あれば、300万円×10%=30万円は自分で負担することとなります。
3 既払い金額(すでに支払われている賠償金)
治療費などは、通院中に相手方任意保険会社が、病院へ直接支払っている場合が多いので、この金額は、既払い金として、損害額から自己の過失分を控除した金額からさらに控除されます。
例えば、損害額合計300万円、自己の過失10%、既払い金50万円の場合、受け取れることができる示談金額は、
300万円×(100%-10%)―50万円=220万円
となります。
4 交通事故の示談金に関するご相談は当法人まで
示談金額の計算方法は、様々な方法や基準がありますので、慣れていない方が正確に計算するのは難しい場合があります。
示談金額の計算方法や、適正な示談金額をお知りになりたい方は、お気軽に当法人までご相談ください。
また、当法人では、無料で損害賠償額を算定するサービスも行っております。
交通事故の案件を集中して扱い、得意とする弁護士が対応いたしますので、お気軽に利用していただければと思います。
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